アフターマン

アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界フューチャー・イズ・ワイルド
さて、とりあえず、最近(というか今日)読んだ本は、「アフターマン」。タイトルの通り、人類が滅んだ後、どんな動物がはびこるか、生物学的な考察とともにその奇妙な動物たちを図解したもの。著者のドゥーガル・ディクソンは、他にも「フューチャーイズワイルド」という、これも未来の動物を書いた本を出しているが、「アフターマン」の方が面白い。何というか、よりグロテスクに感じるのだ。

人間が恐怖を感じるものの一つに、身近なもの、親しいもの、見慣れたものの変異があるという。幽霊や妖怪の類いが怖いのも人の形をしているからであって、不定形の怪物はあまり恐ろしくなかろう。巨人よりは同じぐらいの背丈の人間の目が一つだったり三つだったりする方がこわい。「アフターマン」は、変異した動物の原型の多くはほ乳動物で、しかも変異にも関わらず原型を偲ばせる形をしているのだ。ウサギが進化した馬のような生き物、ネズミや猿が進化した肉食動物など、ユニークと言えばユニークだが、なんともいえないグロテスクさを感じさせる。それがよい。つまり、この本の売りは「こわいものみたさ」ってことかな。
フューチャーイズワイルド DVD-BOX
「フューチャーイズワイルド」は、その点今ひとつグロテスクに感じなかった。巨大な陸棲イカもなかなか楽しいんだが、気持ち悪くはない感じ。せっかくCGを使っているのだから、動かしてくれればなあ、と思った。

と思っていたら、DVDがあるのか!買わねば。これなら面白いかも。

アフターマン」の前半は、この本で紹介するような変異がなぜ起こるかを説明するため、生物学の復習のための教科書になっている。進化に関するポイントが簡潔に押さえられていて、読み物としても面白かったが、面倒に感じる人もいるかも。飛ばしてキモ面白い動物たちを先に見てもいいと思います。その後戻って説明を読むとよいかも。特に収斂進化がこの本でのポイント。