壱岐・対馬の道 街道をゆく13(司馬遼太郎)

いつもの司馬節だが、対馬に対する朝鮮の影響について、「方言にも、指摘が可能な根拠というのはなさそう」「地名については…比較が不可能」「民族においても…朝鮮のにおいがしない」等と書かれており、かなり意外。司馬自身、「私は当初、対馬には濃厚に朝鮮のにおいがのこっているだろうと思っていた。」と言っているが、私もそういうものだと思いこんでいた。理由として、唐と新羅に対する軍事上の最前線なので庶民レベルの往来をコントロールしただろうということと、対馬が山がちで入植に向かないことから渡来人が移住を避けただろう点を挙げており、それぞれ納得。