ダン・ブラウンとの出会い

空の境界 上 (講談社ノベルス)
さて、「空の境界」ですが、結局一歩も読み進んでおらんです。やっぱだめ。受け付けない。世間と感覚ずれてしまったんだろうか…と思いつつ本屋を歩いていたら、「ダ・ヴィンチ・コード」たらいう、いかにも私が好きそうな本が「ぼくは売れてるんですよ」という顔して並んどるわけです。ほな買うたろやないか、と思ったんですが、横にも似たような本があり、しかも「シリーズ第一弾」と買いとる。とりあえず順番通りに、ということでダン・ブラウン著「天使と悪魔」を買うに至った、という次第。
天使と悪魔(上)天使と悪魔(下)
よみはじめると、いきなり欧州の国際研究機関であるCERNが出てきます。そして、初手から人死にが出ます。ほうほう。科学+ミステリーですか。しかも宗教がらみ。結構期待させる。J. P. ホーガンmeetsラドラム(フォーサイスでもフリーマントルでもいいですが)っつー感じですか。

が、数ページも進まないうちに急展開。「イルミナティ」キター!「フリーメーソン」キター!!一気に陰謀論ですよ。しかも科学の方は反物質閉じ込めの描写が稚拙で気に入らない。一瞬、ずいぶん安いつくりになったなー、こりゃ矢追純一meets大槻教授ですか、がっかりですな、という気分になりました。

んが。

結構面白いんですよこれが。まず、科学の方はほんの味付けで、あまり話の本筋に関係ない。だから描写が稚拙でも全然気にならない。むしろ読むべきは陰謀論。この道詳しいわけではないですが、かなり凝ってるんじゃないでしょうか。アンビグラムとか。それに、舞台がローマで、市内の教会やらあちこちを巡るわけ訳です。行ったことあるだけに妙にリアリティを感じ、これもまた好印象。

まだ途中ですが、かなり夢中で読んでます。

余談ですが、CERNの所長が何かずいぶん権力ありげに描写されてるんですが、現職の人には前には会ったことあるんで、「ここまで権力ありますかね」とちょっと変な気分です。