Arrow の一般可能性定理(まとめのようなもの)

自分なりの所感を述べると、この定理は「多岐選択の問題を複数の二者択一問題に分割するとおかしなことになりますよ」ということを言っているのであって、これのみをもって多数決や民主主義の限界を論じるのは無理があるように感じる。二者択一が民主主義にとって本質的ならまた別かもしれないが、そうではないよね。昨日示した考え方で間違っていなければ、f_{xy}: D_{xy}^n \to D_{xy}f_{xy}: D^n \to D_{xy}とすれば(f_{yz}, f_{zx}についても同様)、「独裁者」がいなくとも結果が弱順序になるように思われる。言い換えれば、性質2をゆるめればいい。つまり、

性質2 選択肢の対毎に, 「対のどちらが好ましいか, あるいは同じ程度か」を全員が申告すると, 決定の結果として「対のどちらが好ましいか, あるいは同じ程度か」が分かる表がある.

性質2' 「対のどちらが好ましいか, あるいは同じ程度か」の3つの組を全員が申告すると, 決定の結果として選択肢の対毎に「対のどちらが好ましいか, あるいは同じ程度か」が分かる表がある.

とすると。